電波新聞拾い読み 1998年7月

インテル ペンティアムIIXeonプロセッサー

 インテルは、6月30日、ミッドレンジおよびハイエンド・サーバーやワークステーションに向けたペンティアムIIXeon(ジーオン)プロセッサーを世界同時発表し、即日量産出荷を開始した。
 新製品は、高い処理能力を必要とする企業向けサーバーやワークステーション用に開発されたもの。
 ジーオン・プロセッサーはP6マイクロアーキテクチャー・コアをベースに0.25マイクロメートルプロセスを採用、400MHzで動作する。
 高速動作実現のために、512KBもしくは1MBの二次キャッシュを装備、100MHzシステム・バスや400MHz動作のキャッシュ・バスに加え、最大4GBのアドレス可能なメモリー空間を持つ。また、システム管理機能を強化するシステム・マネジメント・バス(SMbus)も特徴の一つ。
 ペンティアムIIジーオン・プロセッサーの価格は512KBの二次キャッシュ製品が162,000円、同1MB製品は408,720円。
1998年7月1日

SII 「MC-P110/TD」

 セイコー・インスツルメンツ(SII)は6月30日、DDIポケット電話グループが提供する「Two LINK DATA」対応のデータ通信用PCカード型PHS「MC-P110/TD」をエスアイアイ販売を通じて、オープン価格で8月7日発売すると発表した。
 同製品は、DDIポケット電話グループでの通信先を2カ所に限定することにより月額基本料金を980円に設定した「Two LINK DATA」サービス専用に開発されたもので、PCカード(TypeIIエクステンデッド)の規格に準拠しつつ業界最小クラスのコンパクトな大きさ(54×110×10mm)を実現、内蔵型アンテナの採用によりPCからの突き出し部分の長さが約20mmと極めて短いため、携帯性に優れ、モバイルに適した大きさとなっている。
 α-DATA32に対応。PIAFS対応の通信相手以外にも、既存のモデムやG3FAX、ISDN回線に接続されたターミナルアダプターと通信が可能。
1998年7月1日

コジマ NEW足利店増床リニューアルオープン

コジマ NEW足利店(栃木県足利市朝倉町243-1)
6月27日リニューアルオープン
売場 5,220平方メール
足利駅南1.5Km コムファーストショッピングゾーン内
1階 売場/倉庫   2階 売場/駐車場
従業員 35人
駐車場 219台
1998年7月1日

PHS普及促進へ 異機種間相互接続実験

 通信機械工業会は、移動無線委員会を中心に、PHS普及拡大をめざし、PHSの利点を強力に訴求すると同時に
1)PHS対応デジタルコードレス普及のため、どのPHS端末でも各社のデジタルコードレスホンの子機として使用できるようPHSの家庭用標準プロトコルに準じ異機種間相互接続実験を今秋にも実施。その”新PHS”を99年早期に市場投入する。
2)PHS利用可能エリア拡大への協力を推進の方針である。
 PHSは95年7月にサービスが始まり、公衆(屋外)用移動通信として一気に普及、96年末には600万加入、97年9月末には約707万加入となった。だが、同年10月以降、解約が増加、97年12月末については700万加入を切り、98年5月末では665万加入となっている。
 だが、「PHSはインターネット利用に便利、(高速伝送)安い基本料と通話料、音質の良さなど多くの利点がある」との認識のもと「ポジティブな面を前面にPHSをアピールしていく」方針を同工業会は打ち出した。
 データ通信対応商品拡大やユーザー実態調査などを行い、新規商品開発や啓蒙活動を実施のプラン。
 PR活動のほか、PHSの家庭への浸透に注力の方針。先に電波産業会(ARIB)が定めたPHSの家庭用プロトコル標準規格(RCR STD-28)第三版に沿い、相互接続実験を10月以降にも実施する。
 新PHS相互接続グループを設けて異機種間通信を行い、相互接続性を確認の上、同規格クリアの端末を”新PHS”として普及させたい意向である。現時点では14社ほどの参加が予想されている。
1998年7月2日

マイクロソフトが商標権侵害?

 米マイクロソフトが、インターネット用ブラウザ「インターネット・エクスプローラ」の名称を盗用したと訴えられていた裁判の審理が6月30日からシカゴ連邦地裁で始まり、マイクロソフトは、保護を必要とする商標ではなく一般名称だとの主張を展開した。
 訴えたのはシカゴにあった零細ソフトウエア会社(現在は存在しない)サイネット。同社は1994年秋に「インターネット・エクスプローラ」の販売を開始したが、マイクロソフトの公式発表は翌95年4月と遅れた。サイネットは95年夏にイリノイ州の商標登録を取得、同年10月にマイクロソフトを相手取った商標侵害の提訴に踏み切った。98年5月には、米商務省特許・商標局もサイネットに対する商標登録の開始を決定している。
 この日の冒頭陳述でマイクロソフトの弁護士ウィリアム・コンロン氏は「インターネット・エクスプローラ・キット」という題名の本がサイネットの閲覧ソフト販売開始より前に発行されていたことなどを指摘、コンピューター上の共通機能を表す単語を並べたものにすぎず、以前から業界で一般的に使われていた言葉だと主張した。
 一方、サイネット側の承認として出廷したカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のキャロル・スコット教授は、マイクロソフトのインターネット・エクスプローラの包装やマニュアルなどの刊行物を見れば、同社が名前を「商標」として扱っているのは明らかと主張した。
1998年7月2日

移動無線センター 横須賀、群馬中央制御局稼働

 移動無線センター(新宿区西新宿3-7-1)はデジタルMCAサービスのエリア拡大に力を入れているが、7月上旬から横須賀制御局、群馬中央制御局がサービスを開始する。
 デジタルMCA横須賀制御局(横須賀市)は、空中線海抜高143.4m。横須賀市の全域と東京湾を隔てた対岸の木更津市、富津市などをエリアとする。6月22日から申し込みの受付を開始。
 同群馬中央制御局(群馬県北群馬郡榛東村)は、空中線海抜高が984m。高崎市、前橋市、藤岡市、伊勢崎市、安中市、吉岡町、大胡町、赤堀町、境町、玉村町、新町、甘楽町など。埼玉県の本庄市、上里町、神川町を含め広いエリアをとっている。6月29日から受付を開始し、7月上旬からサービスを予定。ゾーン間接続については、平成11年度から開始の予定。
1998年7月2日

東芝 スリム型ノートPC事業強化

 東芝は、スリム型ノートパソコン事業戦略を国内外で強化する。B5サイズで世界最薄の19.8mm、最軽量の約1.19Kgのサブノートパソコンを発表するほか、A4、ミニノートなど各サイズで薄型・軽量化を実現した新シリーズ「SSシリーズ」を発売「モバイル時代に対応した製品戦略」を強化する。
 今回、世界最薄、最軽量のB5サイズをメインにA4スリムPC、スリムミニノートPC「リブレット」など、ラインアップを充実させたが、特に国内においては早期に海外並みの20%シェアを実現させていく計画。当面、スリムノートPCの「SS」シリーズを月産3万台で生産していくが、下期には海外展開も本格的にスタートさせる。
 同社は、1985年に世界初のラップトップパソコンを発売して以来、89年にノートパソコン「DynaBook」を、やはり世界で初めて発売した。96年にはミニノートパソコン「リブレット」を発売、97年にはノートPC累計1,000万台の生産を達成している。「世界市場では、4年連続ノートパソコンのシェア1位を確保しており、現在16%の国内シェアを早く世界並みの20%に持っていく」計画。
 98年度で同社のノート比率は85%になる模様で、このうち今回の新製品で40%を占めるものと見られる。
1998年7月3日


マウスコンピューター 「ハードプラザマウス」を改装

 ショップブランドの製造・販売のマウスコンピュータージャパン(春日部市粕壁121-21)では、5月に店舗「ハードウエアマウス」を大幅改装した。1階は160平方メートルのショールームとし、組み上げ済みハード「MDV」シリーズ、マザーボード、CPUなどのパーツ類、ケースなどが展示されている。2階も売場へと改装中で、3階は事務所。また、店舗ビルと隣り合う倉庫棟(180平方メートル)を増築させている。
 現在、前年比140%にあたる月に1,500-1,800台を出荷するという好調な伸び。一般的にショップブランドパソコンの認知度も向上し、代理店や法人顧客も増えたため、ショールーム的に改装させた。商談も進めやすくなったという。
 MDVシリーズも、最近はローエンド機からミドルエンド機へ主力が移っており、単価ダウンも少ない。たとえば「MVK300」ではK6-2(300MHz)CPUに、64MB SDRAM、4.3GB HDD、32倍速CD-ROM、8MBのVRAMを積んだAGP対応VGAといったスペックで119,800円など。VGAやCPUファンなどのポイントを押さえてパーツのクォリティーもワンランク上げており、クレーム予防の効果も上がっている。
 1階のショールーム改装にともない、2階売場にはさまざまなパーツを直接に体験できるような従来のマニア向けショップの雰囲気を持たせ、従来顧客もフォローする。ウインドウズ98へのアップグレードは有償になるが、ユーザーサポートも人員・知識面で強化。改装にともなってリニューアルされた同店のホームページアドレスはhttp://www.mouse/jp.co.jp。
1998年7月6日

ワットマン 東京・調布に「成城店」

ワットマン(本社=横浜市) 成城店(東京都調布市入間町2-25-4)7月3日オープン
グループ33店舗目 都内2店舗目
売場 1,480平方メートル
駐車場 60台
人員 社員8人 アルバイト25人
1998年7月6日

米インテル 情報家電市場に参入

 米インテルは、情報家電市場参入を明らかにし、主要プロセッサーとして「ストロングアーム」を柱とするビジネスを進めていくと発表した。
 ストロングアームは、英ARM社製品ARMに米ディジタル・イクイップメント(DEC)のハイパフォーマンス技術を一体化したコアで、昨年10月にインテルがDECの半導体部門を買収「ストロングアーム」の生産および販売権を取得したことから、インテルの情報家電市場参入のタイミングが話題となっていた。
 ARMコアは「ミップス/ワット」の開発方針のもとで、低消費電力ながら高性能を持つプロセッサーとしてDECを含む世界有数の半導体メーカー約30社がライセンス生産をしている。
 主力製品のARM7は、コード圧縮・解凍技術「サム」とともに、組み込み市場を中心に応用分野を拡大している。
 ストロングアームは、32ビットRISC型プロセッサーでARMコア技術をもとにDECの高速処理技術を融合、高性能化されたもの。
 インテルは、X86ベースのプロセッサーに変わるコア技術として、デジタル・セットトップ・ボックス、スマートTV、その他携帯端末向けに応用分野を拡大する計画。
1998年7月7日

ジェイコム 「ネクスネット」関東地区で開始

 日本モトローラなどで構成する業務用無線事業組合のDJSMR、ニチメン、NEXTEL、オリックスが設立のジェイコム(品川区東品川4-10-27)は6日、無線通信サービス(ダイレクト・コネクト)一般電話接続機能、ショートメッセージαボイスメール、データ・FAX通信を1台の端末を介して利用できる統合デジタル移動体通信システムサービス「NEXNEXT」を関東地区で開始した。
 同システムは、米国モトローラが業務用(自営)無線のグローバルスタンダードとして普及させようとしているもの。99年には関西・東海、他は2000年頃サービスインの計画である。
 移動体通信が発展する中、一斉同報(一対n通信)やグループ内無線通信で力を発揮の業務用無線に、携帯電話といった公衆無線通信の機能をプラスした新しいデジタル移動体通信として誕生したのがNEXNEXT。
 同サービスは「米国、中国など10カ国以上でサービス、加入数は200万を突破している」(NEXTEL社アジア太平洋ディビジョン・B・ヴィンセント社長)もので、モトローラの無線に関する世界戦略上、重要に位置づけがなされている。
 同サービスは、従来の業務用無線としての利用のほか携帯電話的利用(公衆網接続)もできる。基本使用料は月3,500円(個別通信200分を含む)。
 端末は一台約80,000円。DJSMR加入者(約40,000円)はNEXNEXTに無料で入ることが可能。
 NEXNEXT開始で、DJSMRと同種サービスの移動無線センター系MCAサービスの対抗策が注目される。
1998年7月7日

コンピューターウイルス被害届 6月は137件

 日本情報処理開発協会(IPA)は6月のコンピューターウイルス被害の届出状況をまとめた。
 6月は137件。この中で、被害の多かった届出は、AutoStartが、パソコン110台、Excel/Larouxがパソコン90台/60台に感染したケースがそれぞれ1件ずつあった。
 当月届出のあったウイルスは16種類。届出件数の多いウイルスは、マクロウイルスのExcelMacro/Larouxで74件、ついでWordMacro/Capの27件。
 なお、この半年間での届出は982件で、前年同期比104%。
1998年7月7日

ケーズデンキ 下妻パワフル館オープン

ケーズデンキ下妻パワフル館 茨城県下妻市横根字昼喰島574-1 7月2日オープン
直営店舗68店目
売場 1,160平方メートル
駐車場 54台
従業員 17人
1998年7月8日

ACCS6社 岡山のアクトを大阪地裁に提訴

 コンピュータソフトウエア著作権協会(ACCS)会員の大手ゲームソフトメーカー6社は、8日、動画や映像を含んだゲームソフトの中古販売は著作権法の頒布権を侵害するとして、中古ゲームソフト販売店の大手を相手取り販売差し止めを求めて大阪地裁に提訴した。
 訴えたのはカプコン、コナミ、スクウェア、セガ・エンタープライゼス、ソニー・コンピュータエンタテインメント、ナムコの各社。
 「ファミコンショップわんぱくこぞう」の店名で、全国約300店舗で中古ゲームソフトを販売しているアクト(本社=岡山市)と、傘下のわんぱくこぞう茨木店(大阪府茨木市)に対し、代表作品6種類のゲームソフトについて、中古販売の差し止めと廃棄を求めた。6社は中古販売により被った損害請求もする。
 アクト代表の新谷氏は、テレビゲームソフトには頒布権がないと主張している、販売店の団体、テレビゲームソフトウェア流通協会の代表理事。
 ACCSは訴えの根拠として、次の4項目をあげている。
1)ゲームソフトの多くはプログラムの著作物であるが、映画の著作物にも該当するため、権利者には譲渡をコントロールできる「頒布権」がある
2)パッケージに中古品販売禁止の表示をしている
3)顧客に販売した中古ソフトを短期間で買い戻す店舗があり、これは疑似レンタル行為に当たる
4)メーカーは中古販売業により、1年間に約2,325億円の販売機会損失を受けている(コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会=CESA調べ)
 ACCSは、日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会、CESAと共同で、業界をとりまとめ、海賊版ソフトの摘発など、デジタル著作物の権利保護活動をしている。6月20日には、神奈川県の中古ソフト販売店を頒布権侵害で訴えている。
1998年7月9日

日本イリジウム ホームページ開設

 日本イリジウムは8日、インターネット上でホームページを開設。アドレスはhttp://www.iridium.co.jp。
 ホームページでは、イリジウムサービスとその特徴・メリットについてわかりやすく説明、通話料金のシミュレーション画面を設ける。また、同サービスの先行予約申し込みの受付、ニューリリースなどの情報も提供。
1998年7月9日

ワットマン東松山店オープン

ワットマン東松山店 埼玉県東松山市松葉町4-3-18 6月19日オープン
売場 1階 家電      760平方メートル
   2階 情報・音響機器 560平方メートル
   計1,300平方メートル
ショッピングモール「シルピア」内テナント
駐車場 700台
1998年7月9日

米アップル 「iMac」8月15日発売

 米アップル・コンピュータは、一般ユーザーを対象とした最新パソコン「iMac」を予定通り8月15日から米国市場向けに発売開始する。ニューヨーク市内で8日開催した「マック・ワールド」で基調講演を行ったスティーブ・ジョブズ暫定CEOが明らかにした。価格は1,299ドル。
 半透明で丸みを帯びたユニークな外観が特徴のiMacは、5月の発表以来関係業界で話題となっていた。ジョブズ氏によれば、現時点でiMac対応のアプリケーションソフトは177種。ゲームや教育用ソフト、グラフィックソフトなどを中心に魅力的なソフトが揃っている。
 同モデルは233MHzのG3プロセッサー内蔵で、モニター、4GBハードディスク、32MBメモリー、24倍速CD-RIMドライブ、56Kbpsモデムなどを標準搭載。
 このほか、12Mbpsのユニバーサル・シリアル・バス(USB)100MBイーサネット、4MBのIrDAの採用で周辺機器との接続を容易にした。
 ウェブ閲覧ソフトはマイクロソフトがマック用に改良を加えた「インターネット・エクスプローラ4.01版」をCD-ROMで提供する。
1998年7月10日

ソニー 「VAIO」新たに4機種

 ソニーは、ウインドウズ98をプレインストールしたノートブック型パソコン「VAIO」を、25日に新たに4機種発売する。同社は、今回の新製品の発売でB5ファイルサイズ3機種、A4サイズ4機種の計7機種を揃え、好調に伸びるノートパソコン市場でラインアップを充実する。
 新製品は、B5ファイルサイズの「PCG-505GX/4G」とA4ノートサイズの「PCG-803」「PCG-737/A4G」「PCG-733/A」の3機種。いずれもオープン価格。
 同社は、B5ファイルサイズで「505GX」「505G」の2機種を発売しているが、今回の「505GX/4G」は、4.3GB HDD、i・LINK(IEEE1394)端子を標準装備している。
 薄型・軽量ながら、快適な操作感が得られるスペック。鮮明で見やすい高画質10.4型SVGA対応TFT液晶を採用。2MBビデオメモリーを搭載し、約1677万色(800×600ドット、640×480ドット)表示可能。MMXペンティアム266MHz、64MB SDRAM、56Kbpsモデムなど搭載。
 機能面では
1)i・LINK端子を装備し、高画質DV静止画キャプチャーを実現
2)本体四面にマグネシウム合金を採用した軽量・薄型設計。厚さ23.9mm、質量約1.35Kg
3)スクロール機能、手書き文字認識機能、赤外線通信ポート(IrDA)を標準装備
などが特徴。
 A4ノートブックでは「PCG-803」「PCG-737/A4G」「PCG-733/A」の3機種を発売。「803」は、モバイルペンティアムII 233MHz、4GBハードディスク、13.3型XGA TFT液晶、「737/A4G」は、12.1型XGA TFT液晶、「733/A」は、12.1型SVGA TFT液晶、2.1GB HDD。
1998年7月10日

DDIセルラーグループ cdmaOneサービス開始

 DDIセルラーグループの関西セルラー電話、九州セルラー電話、沖縄セルラー電話の3社は14日午前零時、新しいデジタル携帯電話システム「cdmaOne」(IS-95方式)サービスを、わが国で初めてスタートさせた。来年4月までには同グループの他社をはじめ日本移動通信(IDO)も同サービスを開始、全国シームレスサービスとなり、NTTドコモグループと違った方式での日本市場での争いが全国で展開されることになる。また同方式は、次世代のワイドバンド時代(IMT-2000)では、NTTドコモが推すW-CDMAに対抗した「CDMA-2000」として発展する可能性が強いと見られている。わが国のデジタル携帯電話方式はPDC方式と呼ばれるNTTが開発の方式を各社とも採用してきた。
 だが、同じ方式では50%以上のシェアを持つNTTドコモグループとの競争は厳しく、音質面、高速伝送能力(最高64Kbps)で優位性のあるcdmaOne方式でシェア拡大に、DDIセルラーグループは対応することになった。IDOも同様の選択を実施。
 同方式はIS-95(米国規格)として米国、韓国、中国で実用化されており、今回は4カ国目の実用化。DDIセルラーグループ8社のうち関西、九州、沖縄が14日スターとしたが、残る北海道、東北、北陸、中国、四国およびIDO(関東・東海圏)が来年4月までに開始の予定。これら各社はPDC方式サービスも継承するが、サービス開始後はcdmaOneを主に事業拡大をめざす。
 また、2001年頃からは次世代携帯電話がスタートする見通しで、NTTドコモをはじめ、デジタルホン、デジタルツーカー系は日本提案のW-CDMA方式を採用の見込み(ツーカー系は未定)だが、DDIセルラー、IDOは、cdmaOneと連続性を持つワイドバンド版CDMA-2000を採用の以降。両方式が規格統一された場合は別にして(可能性は薄いとみる向きが強い)わが国ではに方式が存在する可能性が強まっている。
1998年7月14日

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