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電波新聞拾い読み 2020年5月21日

新型コロナ感染拡大 空気質への関心高まる

 新型コロナウイルスの感染拡大で、空気質に対する意識が高まっている。在宅の機会が増えて室内の空気環境も注目され、4月の空気清浄機をはじめとする空質機器に加え、換気への関心も上向くなど、多くのユーザーが従来以上に空気質向上へ注意を払うようになっている。メーカーでは新たなビジネスモデルの開発で需要創造を図る動きもある。
 日本電機工業会のまとめによると、空気清浄機の19年度の出荷台数は前年比5.6%減の202万8000台にとどまった。花粉シーズンで需要がピークとなる2-3月に新型コロナウイルス感染拡大のためサプライチェーンに影響が出て、需要はあっても出荷がのびなかった面もある。
 ただ4月に入って状況は一変し、シャープでは単月の販売が倍増したほか、パナソニックは前年同月比約1.5倍、ダイキン工業では同144%、象印マホービンでも同170%など大幅増となっている。アイリスオーヤマも1-4月の累計販売が前年同期比170%と大きく伸びた。
 空気清浄機をはじめ空気質全般に関わる商品の動きは活発で、今期はオフシーズンにおける空質商品群の動向が注目される。
 こうした中、「空気清浄、換気、除菌、洗浄などのニーズを取り込み、空気質全般に関わる新ビジネス(モノ+ソリューション)を立ち上げていく」とダイキン工業・十河社長は表明しており、空気質に関して新しい生活様式に対応したビジネスモデル創出の動きも加速しそうだ。


山善 小型軽量設計のカセットボンベ式の発電機

 山善は、冷暖房器具、エンジン商品、電動工具、園芸商品などを手がけるメーカー・中冨と共同で立ち上げたブランド「DREAM POWER」から、カセットボンベで電気をつくるカセットボンベ式インバータ発電機「EIGG-600D」(オープン価格)を、家電量販店、ホームセンターなどで5月下旬から順次発売する。
 アウトドア活動やレジャー用途で、電源がなくても電気を確保できるインバータ発電機。
 一番的に販売されているカセットボンベを本体にセットするだけで、手も本体も汚さず燃料補給が完了。ガソリンを抜く手間がないので、後処理も簡単。
 定格出力800-1000VAの発電機が主に普及する中、600VAにすることで、女性でも持ち運びやすく、保管や車載にも適している小型軽量設計を実現。消費電力が大きな製品の場合は、別売の並列運転コードで2台並列接続することで対応できる。
 USBの出力端子を搭載しているので、ほかの電気製品とスマートフォンの充電を同時に行える。また、負荷に応じた回転数に制御することで燃料消費を抑えるエコモードスイッチを搭載しており、長時間の運転にも対応する。
 自動車などの予期せぬバッテリ上がりの際にも、付属の直流バッテリ充電用コードを使用すれば対応できる。


サンワサプライ 4種類の出力対応モバイルバッテリ

 サンワサプライが運営している直販サイト「サンワダイレクト」では、純正弦波AC出力、シガー出力、USB PD対応USB Type-C出力、USB出力と4種類の出力に対応したモバイルバッテリ「700-BTL046」を発売した。価格(税別)は2万3454円。
 新製品はACコンセントプラグを直接挿すことができ、最大100Wまでの出力に対応のACポートを搭載。6万2400mAh(3.7V換算値)の大容量リチウムイオン電池を搭載した。
 AC出力は”正弦波”を採用。使用機器が制限されやすい”擬似正弦波”と異なり、家庭用100Vコンセントと同じような滑らかな波形を作り出し、より幅広い家電製品が使用できる。
 製品を保護する機能や回路も搭載。本体内部温度が上昇すると冷却ファンが自動で作動し、本体内部を冷却してオーバーヒートを防ぎ、過充電や過放電などから内蔵電池を保護する。日本メーカー製の電池保護ICを内蔵している。
 さらに内蔵電池部分に温度監視センサーを搭載し、異常発熱から本体と内蔵電池を保護する過熱保護機能を搭載している。
 本体を充電するための専用ACアダプタ付きだが、USB Power Delivery規格の60W以上のAC充電器を使用して本体を充電することもできる。


JVCケンウッド3月期連結決算 大幅営業減益

 JVCケンウッドは、新型コロナウイルスや為替変動の影響を受けて前年比5.3%の減収。営業利益も無線システムが好調だったものの自動車向けやメディア向けなどが苦戦し同43.8%減となった。
 最大の商戦期となる1-3月期に新型コロナ感染拡大が重なり、売上げで60億円、営業利益で30億円のマイナス影響を受けた。
 事業別には、テレマティクス分野を初めとするデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)関連事業が拡大したほか、公共や無線システムが好調に推移。無線システムは7・四半期連続で黒字となり、黒字を定着化させた。
 自動車向けとメディア関連は苦戦。新型コロナの影響も受け、自動車向けはOEM(相手先ブランドによる生産)が減収減益に。メディアで通信向け映像デバイスが好調だったもののビデオカメラの販売減となった。


放送機器展「IBC」開催中止

 欧州最大の放送機器展「IBC」が、新型コロナウイルス感染防止のために中止になることが明らかになった。
 IBCは50年以上にわたり、メディアエンターテインメント業界に最新技術を披露する”テクノロジーコミュニティ”の場として提供してきた。
 今年の「IBC2020」は9月11-14日に、オランダ・アムステルダムで開催される予定だった。
 IBCのマイケル・クリンプCEOは「IBC開催について慎重に考えてきたが、各国政府が今後の発表の中で9月までには、通常の状況に戻ることはできそうにないことが明らかになった。出展者や関係者の安全のために中止を決定した」と理由を明らかにした。


九州総合通信局 登録検査等事業者に業務停止など処分

 九州総合通信局はこのほど、無線局に係る点検の結果を偽って通知した登録検査等事業者に対し、電波法に基づき、48日間の業務停止および業務の改善を命じた。
 違反した事業者は、NTTネオメイト(大阪市都島区)。対象となる事務所は同社九州支店。
 登録検査等事業者制度とは、総務大臣の登録を受けた登録検査等事業者が、無線設備などの検査や点検を行い、免許人から結果を記載した書類の提出があったときは、無線局の定期検査を省略することができる制度。


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