新型コロナウイルスの感染拡大で、空気質に対する意識が高まっている。在宅の機会が増えて室内の空気環境も注目され、4月の空気清浄機をはじめとする空質機器に加え、換気への関心も上向くなど、多くのユーザーが従来以上に空気質向上へ注意を払うようになっている。メーカーでは新たなビジネスモデルの開発で需要創造を図る動きもある。
日本電機工業会のまとめによると、空気清浄機の19年度の出荷台数は前年比5.6%減の202万8000台にとどまった。花粉シーズンで需要がピークとなる2-3月に新型コロナウイルス感染拡大のためサプライチェーンに影響が出て、需要はあっても出荷がのびなかった面もある。
ただ4月に入って状況は一変し、シャープでは単月の販売が倍増したほか、パナソニックは前年同月比約1.5倍、ダイキン工業では同144%、象印マホービンでも同170%など大幅増となっている。アイリスオーヤマも1-4月の累計販売が前年同期比170%と大きく伸びた。
空気清浄機をはじめ空気質全般に関わる商品の動きは活発で、今期はオフシーズンにおける空質商品群の動向が注目される。
こうした中、「空気清浄、換気、除菌、洗浄などのニーズを取り込み、空気質全般に関わる新ビジネス(モノ+ソリューション)を立ち上げていく」とダイキン工業・十河社長は表明しており、空気質に関して新しい生活様式に対応したビジネスモデル創出の動きも加速しそうだ。