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電波新聞拾い読み 2020年1月23日

19年パソコン国内出荷 台数、金額とも37%増

 電子情報技術産業協会(JEITA)が22日に発表した19年12月のPCの国内出荷実績は、台数が前年同月比14%増の96万2000台、うちデスクトップPCが同25.4%増の27万3000台、ノートPCが同10.1%増の68万9000台。ノートPCの比率は71.6%だった。
 出荷金額は前年同月比17%増の897億円、うちデスクトップPCは同32.4%増の245億円、ノートPCが同12.2%増の652億円となった。
 12月は、台数・金額とも14カ月連続で2桁の伸長。
 19年(1-12月)の台数は前年比37.4%増の973万7000台、うちデスクトップPCが同49.4%増の258万4000台、ノートPCが同33.6%増の715万2000台。ノートPCの比率は73.5%となった。
 金額は前年比36.7%増の9126億円、うちデスクトップPCが同48.9%増の2312億円、ノートPCが同33.1%増の6814億円だった。
 19年は法人向けが大きくけん引し、個人向けも堅調だった結果、台数は1000万台に迫り、台数・金額ともに前年を大きく上回った。


情報サービス各社 セキュリティ対策支援強化

 今夏の東京五輪・パラリンピックなどの国際イベントに便乗するサイバー攻撃への警戒感が高まる中、情報サービス業界では国内企業のセキュリティ対策を後押しする動きが活発化してきた。セキュリティ事故対応の専門チーム「CSIRT(シーサート)」の設立と運営を支援する活動が広がってきたほか、暮らしや産業界に広がるデジタルサービスが攻撃を受けるリスクを分析するセキュリティ関連企業も現れ始めた。
 シーサートは、企業や行政機関でサイバー攻撃による情報漏洩やシステム障害などの問題や事故が生じた際に対応する専門チーム。シーサートの構築支援を担う日本シーサート競技会(NCA)によると、加盟する企業・団体の数は右肩上がりで推移し、今月末での累積で408社に到達。トヨタ自動車や日立製作所、ソニーなど日本を代表する企業が名を連ねる。
 各社がサイバー被害に備えた体制づくりに躍起になる背景には、業務用PCにとどまらず、工場や発電所などの重要インフラも外部のネットワークと接続する機会が増えている現状がある。経済産業省がサイバー攻撃から企業を守る理念や行動を示した経営者向けガイドラインを15年に策定した動きも、シーサートの設立気運が高まるきっかけとなった。
 大規模な国際イベントは常にハッカー集団の標的となっている。実際、12年のロンドン五輪では、開会式の妨害を目的に電力供給システムが攻撃された。18年の韓国・平昌五輪でもサイバー攻撃が原因と見られるネットワークの不具合が発生した。
 トレンドマイクロは五輪に便乗した脅威に備えるよう警告する。例えば、実在の組織をかたって不特定多数にメールを送りつけて偽サイトに誘導し、アカウントIDやクレジットカード番号などの個人情報を盗み出す「フィッシング詐欺」の増加が想定されるという。
 フィッシング対策協議会によると、フィッシング報告件数の増加が近年著しく、19年に過去最高の5万5787件を記録した。金融機関や宅配業者などを偽装した手口が目立っているようだ。
 既にトレンドマイクロは昨夏から、特定組織を狙った「標的型サイバー攻撃」の防御法を学べるトレーニングを実施するほか、顧客企業から集めたセキュリティ情報や独自に蓄積した脅威情報を解析する体制を増強。岡本セキュリティエバンジェリストは「解析結果を基に攻撃の予兆を早期に見つけ出したい」と述べた。
 一方、原材料や部品の調達先となる中小企業を探し出し、サイバー攻撃を叱れる「サプライチェーン攻撃」の脅威も高まりそうだ。日本シーサート競技会(NCA)の山本健太郎副運営委員長はこれを踏まえて「攻撃者は弱いところを狙う。シーサートを運営する大手企業の事例を中小企業に広める工夫も必要だ」と指摘。国際イベントの有無にかかわらず平時から攻撃に備える課題も投げかけた。


電波新聞拾い読み 2020年1月23日