ドイツ・フランクフルトで開催されているスパコンに関する国際会議「ISC2019」で17日、スパコン性能ランキング「TOP500」の最新版が発表された。首位は米IBMの「Summit(サミット)」。最大性能148.6ペタフロップス(PFLOPS)で3期連続のトップとなった。日本のシステムは産業技術総合研究所の「AI橋渡しクラウドインフラストラクチャ(ABCI)」の8位が最高だった。
この数年は、上位10システムの順位に大きな変動はなく、新たにランキングしたのは5位の「Frontera(フロンテラ)」(デルEMC製)と、10位の「Lassen(ラッセン)」(IBM製)の2システムのみ。
処理性能も、首位の「Summit」が前回の143.5PFLOPSから向上したほかは変化がなかった。
今ランキングの最大の特徴は、500システムの性能がすべて1PFLOPSを超えたこと。500位の機種でも1.022PFLOPSをマークした。
TOP500をベンダー別で見ると、中国のレノボ(聯想)が173システム、シェア34.6%で首位。以下、インスパー(浪潮)、スゴン(曙光)とトップ3を中国ベンダーが独占。日本勢は13システムで8位、NECが3システムで13位だった。
TOP500と同時に発表されたスパコンの省エネ性能ランキング「グリーン500」では、理化学研究所(理研)情報基盤センターに導入された「菖蒲システムB」がワット当たり17.6ギガフロップスで前回に続いて首位を獲得。次いで米エヌビディアの「DGX Saturn(サターン)V Volota」、IBMの「Summit」の順。