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電波新聞拾い読み 2019年5月6日

NHK技研公開で新技術発表へ

 NHK放送技術研究所は、30日から6月2日まで開催する「技研公開」で、ワイヤレスカメラと映像伝送に関する8K関連2件と3Dテレビの計3件を新技術として発表する。
 これまでハイビジョン(2K)や4K映像の無線伝送が可能なワイヤレスカメラはあったが、今回展示する8Kワイヤレスカメラは世界初の8K映像の無線伝送を可能にした。
 送信技術には移動しながらでも安定した無線伝送を実現するシングルキャリア周波数領域等化方式(SC-FDE)を採用。
 可搬型の8K映像装置と組み合わせることにより、ミリ波電波で約100mの距離まで185Mbpsの8Kカメラの映像を伝送することができる。
 8K映像伝送では、会場内のライブ中継現場で映像のコマ数(フレームレート)120Hzに対応した8Kカメラ中継車を用いてコンテンツ制作を行う。
 制作されたコンテンツは、富士通研究所と共同開発中のHEVC/H.265方式による映像符号化装置で圧縮し、広帯域・大容量伝送が可能な21GHz帯中継器を搭載したBSAT-4a衛星を用い、放送衛星システム社と共同でライブ伝送を行う。
 技研公開では衛星アンテナで受信し、復号したコンテンツが8K 120Hz対応ディスプレイに表示される。
 NHK技研はこれまで、特別なメガネ不要で自然に見やすいインテグラル3Dテレビの研究を進め、過去の技研公開でも展示してきた。
 今回は個人視聴用として開発中の技術で、見ている人の目の位置を検出することで、視聴位置に応じた3D映像を広い範囲で表示する。
 NHK技研では、水平方向の視聴範囲を約80度、垂直方向の視聴範囲を約45度まで広げることに成功した。


電波新聞拾い読み 2019年5月6日