NHKと、日本テレビを除く民放キー局系BS4局などが1日午前10時から超高精細映像の4K8K放送を開始した。東京や大阪では同日、放送開始の記念式典が行われた。
2000年12月1日のBSデジタル放送開始、地上デジタル放送でも03年12月1日、そして今回。12月1日は放送業界にとって3度目の大きな転換点になった。1日は9局17チャンネルが放送を開始した。
NHKは、1日午前10時から開局記念番組として世界初となる南極からの4K生中継、イタリアからは8Kの生中継をした。
同日午後1時10分からは、70mmフィルムで撮影された米SF映画「2001年宇宙の旅」を完全8K版にして放送、洋画ファンを喜ばせた。特に8Kは今回が世界初の放送。これまでNHKは欧米の主要な放送関連の展示会で8Kをデモし、海外にも日本の8K技術をPRしてきた。スーパーハイビジョン(8K)の研究開始から23年目で本放送の日を迎えた。
民放キー局系のBS朝日、BS-TBS、BSテレ東、BSフジの4社は1、2日、共同企画特番を放送して足並みをそろえた。4局は2日間連続して、欧州鉄道の旅を題材にした特番をリレー形式で各局2時間ずつ放送した。
キー局のうち日本テレビ系のBS日テレは放送開始を他局より遅らせていたが、当初予定の来年12月1日を9月1日に前倒しする。
民放系は放送開始の当初は4K制作番組が少ないが、看板の報道番組は4Kで制作して放送を始める。
民法の課題はいかに“ピュア4K”を増やしていくか。各局とも4Kは基本的に現行のBS放送と同じ番組。今後は、当初から4Kで制作した番組を放送していくことができるのかという課題もある。
CATV局の最大手ジュピターテレコム(JCOM)は10月31日と11月1日、4Kに関する調査を実施した。有効回答約2000人のうち、4K放送が「視聴できる状態にある」と回答したのは全体の6.6%。「準備途中、準備する予定」と回答した人と合わせても12.2%。
普及させるには放送事業者、工事業者らとの連携で周知広報の徹底と視聴環境の整備が求められる。