光通信や半導体技術などの世界的権威で、元東北大学長の西沢潤一氏が21日、死去した。92歳だった。
仙台市出身。1948年に東北大工学部電気工学科を卒業後、大学院のトランジスタの研究を始めた。50年代から「pinダイオード」「静電誘導トランジスタ」など画期的な素子を次々に発明。半導体研究を先導し、「ミスター半導体」と呼ばれた。
光通信技術の可能性にいち早く着目し、54年までに電気信号を光に変換する半導体レーザーや、大容量の光信号を長距離伝送する集束型光ファイバ、光信号を電気信号に変えるフォトダイオードを発明した。これらは三大要素とされ、半導体技術とともに、現代のIT社会を支える技術的基盤を築いた。
83年に文化功労者。89年に文化勲章を受章。東北大学長を務めた後、岩手県立大や首都大学東京の学長などを歴任した。