米ニューヨーク州の上級裁判所は米国時間16日、富士フイルムホールディングスによる米ゼロックスの買収を巡り、4月に下された契約差し止め命令の破棄を決めた。差し止めは無効だとして、5月に上訴していた富士フイルム側の主張が認められた。
同社は買収の実現へ向け、停滞していた交渉を再開する構えだが、買収反対派のゼロックス経営陣がそれに応じるかどうかは不透明だ。
富士フイルムは1月、子会社富士ゼロックスとゼロックスを統合させた上、グループ傘下に収めることで合意したと発表。ゼロックスの大株主はこれに反対し、合意契約の差し止めを求めて2月に提訴し、米下級裁判所は4月にこれを認めていた。
富士フイルムは17日の声明で「ゼロックスと契約の履行に向け話をしていく」と述べ、買収交渉を加速させる姿勢を強調した。