複合機やプリンタメーカー各社が、商業印刷分野や産業印刷分野への事業展開を本格化させている。加速する世の中のデジタル化の流れに対応、基盤のオフィス事業の強化の一方、新たな成長分野として事業強化を急いでいる。業界団体のビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)でも、新たに「大判インクジェットプリンター部会」を発足。「サイン」(屋外広告など)、「テキスタイル」(衣類への印刷)などの市場づくりに乗り出した。
商業印刷業界では以前からのアナログ印刷に加え、オンデマンドのニーズに応えるためデジタル印刷機を導入。デジタルマーケティングなど、今後急速に拡大が予想されるデジタル化ニーズなどに柔軟に対処する動きが顕著になりつつある。また、インクジェット印刷技術で産業印刷分野が注目されている。
産業印刷は、インクジェット技術を使ったラベル、パッケージへの印刷紙だけでなく樹脂、布、壁紙、タイルなどへの印刷、大型の宣伝ポスター、最近はラッピングした自動車、バス、電車も登場してきている。特に、昨今、注目を集めているのが、Tシャツなどに印刷するテキスタイル。グラデーションなどインクジェットならではの品質の高い印刷技術の産業印刷分野への応用拡大が期待されている。