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電波新聞拾い読み 2018年3月27日

パナソニック、野村不動産など 綱島にSSTオープン

 パソナニックや野村不動産などが参画するTsunashima SST協議会は26日、パナソニックの工場跡地(横浜市港北区綱島)で開発を進めていたスマートシティのグランドオープン記念式典を当地で開催した。
 パナソニックが神奈川県藤沢市の工場跡地で進めたスマートシティー「Fujisawa SST」に続く第2弾。藤沢のプロジェクトが戸建てを中心とした郊外型であるのに対し、綱島はマンションや大型スーパーなどを建設する都市型スマートシティープロジェクト。米アップルの研究開発施設や水素ステーションなどを含む六つの施設で構成されている。
 スマートシティーでは街に関わる企業や自治体、地域住民が共創し、新たなサービスやイノベーションの創出を目指している。国際学生寮の1階にある中核施設のタウンマネジメントセンターでは、慶應義塾大学とパナソニックが中心となって各企業の最先端技術と競争するラボを設置、既に17年から経済学部のゼミと共同研究に取り組んでいる。アップルとの共同研究も行いたい考え。
 街全体で100台以上のパソナニック製監視カメラを設置。4月1日からは綜合警備保障の営業所も設置され、15分以内に駆け付ける体制が整う。街全体で新エネルギーの利用量30%以上を掲げているほか、05年当時の一般的な建物に対しCO2排出量を40%削減することを目指している。
 22年くらいには、同社の大阪・吹田市の工場跡地で第3弾「吹田SST」の街開きも予定。多世代居住や医療、介護まで受けられる健康都市型のスマートシティーを目指していく。

2月の民生用電子機器国内出荷 出荷額1%増

 電子情報技術産業協会(JEITA)が26日発表した民生用電子機器の2月国内出荷額は前年同月比1%増の1085億円だった。有機ELを含めれば1120億円の出荷額になった。
 内訳は映像機器が498億円で同4.7%増、オーディオ関連機器は28億円で同9%減、カーAVC機器は同1.2%の529億円。
 映像機器のうち薄型テレビの出荷台数は36万5000台で同0.8%増。別途有機ELテレビの出荷台数が9000台あり、薄型テレビ合計では37万5000台が出荷された。
 薄型テレビのうち4K(対応)テレビは同24.5%増の14万2000台が出荷され、薄型テレビ全体に占める出荷比率は38.8%。有機ELテレビ含めた4K(対応)テレビ全体では15万1000台が出荷された。


KDDIとサムスン 球場で5G対応タブレット50台に4K同時配信成功

 KDDIと韓国サムスン電子は、次世代移動通信システム「5G」対応のタブレット端末50台を使用し、球場における4K高精細の同時配信に国内で初めて成功したと発表した。
 両社は3月上旬、沖縄セルラースタジアム那覇(3万人収容)で5Gの実証実験を実施。サムスンは仮想化コアネットワークソリューションや仮想化RAN(無線アクセスネットワーク)、小型5Gアクセス装置および5Gタブレット端末の試作機など、エンドツーエンドの5Gソリューションを提供した。
 5Gアクセス装置は球場のレフトも外野フェンスの外側にある照明塔に設置され、本塁、1塁、3塁の各ベース方向に5Gカバレッジを構築。
 カバーエリア内の観客席に映像視聴端末としてタブレットを50台設置し、5Gの特徴である高速。大容量通信を活用して、これら端末に4K映像を同時配信することに成功した。周波数帯は28GHz帯を使用した。
 5Gは現行の4G・LTEに比べ100倍の高速、1000倍以上の大容量通信を実現。また、超低遅延、多数同時接続という特徴を備え、国内では20年の東京五輪・パラリンピックでの商用サービス展開に向け、様々な実証実験が行われている。
 今回のKDDIなどの実験は、広く混雑した環境でスポーツ観戦やコンサート映像などの高精細・大容量映像をモバイル端末や大型スクリーンにリアルタイム伝送することを目指したもの。


電波新聞拾い読み 2018年3月27日