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電波新聞拾い読み 2018年1月1日

”5G NR”の開発加速 標準仕様の初版策定完了

 次世代超高速移動体通信システム「5G」の20年商用サービス開始に向け、昨年末に移動体通信システムの国際標準化団体「3GPP」で、5Gの新たな無線技術「5G NR(New Radio)」の標準仕様の初版策定が完了した。これにより18年は国内外のキャリア、通信機器ベンダーなど関係各社による5G NRの開発が加速しそうだ。
 5Gは現行の4G・LTEに比べて100倍高速、1000倍以上の大容量通信、10分の1の超低遅延を実現。1平方キロメートル当たりの端末同時接続数もLTEの10倍の100万台に増える。
 こうした特徴を生かして、5Gは4Kや8Kなどの超高精細映像のリアルタイム伝送や、自動運転、遠隔医療、セキュリティなど様々な分野での利活用が想定。また、あらゆるものがネットにつながるIoTの基盤としても期待されている。
 国内では昨年、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのキャリア3社が中心となって、実際のユースケースを想定した総合的な実証試験が本格的にスタートした。
 5Gではかつてない超高速・大容量通信、超低遅延などの高い要求条件に対応するため、LTEの円超ではない、新しい無線技術5G NRが導入される。
 また、使用周波数帯は、これまで通信や放送に使われてきた低い周波数帯が飽和状態にあることから、6GHz以上、あるいはミリ波帯といわれる28GHzや39GHzなど高い周波数帯の利用が不可欠。
 ただ高周波数帯は電波が遠くまで届きにくく、安定性が低い。これを克服するため、5G NRでは多数のアンテナ素子を協調動作させ、任意の方向に電波のビームを形成、高速・大容量通信を実現する「マッシブMIMO」「ビームフォーミング」技術の採用が検討されている。
 20年東京五輪での商用サービス開始を目指す日本では当初、5G NR登高度化したLTEの連携による無線アクセスネットワーク(=ノンスタンドアロン=NSA)が導入される見通し。
 3GPPでは5G NRの最初の仕様を「3GPPリリース15」として公開する予定で、昨年末にはフェーズ1としてNSAの機能を含む初版策定を完了。今年6月には、5G単体で動作する「スタンドアロン=SA」の使徒用策定作業が完了する見込み。また19年には全ての技術性能要件に対応した5Gの仕様が「リリース16」として公開される予定になっている。
 世界に目を向ければ、韓国では来月開催される平昌冬季五輪で、世界初の5G試験サービスがNSA構成で実施される。また米国では、まずは固定ワイヤレスサービスとして「プレ5G」のトライアルが行われており、今年後半には商用サービスが開始される予定。
 一方、中国では最初からSA方式を採用する方針で、20年の商用サービス開始を目指している。


17年9月末携帯契約数3%増1.7億

 総務省がまとめた国内の17年9月末携帯電話契約数は1億6534万となり、前年同期比3.4%増加した。携帯電話・PHS・BWA(2.5GHz帯広帯域移動無線アクセスシステム=WiMAX)を合わせた移動系通信の契約数は1億6929万で同2.7%増となった。
 移動系通信契約数の内訳は国内で3.9-4世代に相当するLTE契約が1億1065万、同17.1%増だった。
 PHSの契約数は298万(前年同期比19.8%減)。急速に伸びているのはBWA契約で、9月末の契約数は5295万、同26.9%と大幅アップ。BWAの代表的企業にはKDDI傘下のUQコミュニケーションズがある。
 移動系通信における契約数の事業者別シェアはNTTドコモが39.5%、KDDIグループが27%、ソフトバンクグループ23.5%。
 MVNO(仮想移動体通信事業者)サービスの契約数は1687万で前年同期比18.3%の増加。移動系通信のほぼ10%がMVNOということになる。MVNOサービスの事業者も355社を数え、前年同期より81社の増加。
 MVNOサービスではSIMカード型が1012万で前年同期比33.6%の契約増。通信モジュール型は同15.1%増の452万となっている。
 SIMカード型ではインターネットイニシアチブ(IIJ)のシェアが14.1%で最も高く、NTTコミュニケーションズ12.3%、携帯電話市場参入を発表した楽天は11.6%、関西系のケイ・オプティコム8.7%、ソニーネットワークコミュニケーションズ5%の順になっている。


アイオーデータ HDDレコーダ新製品2モデル

 アイオーで機器は、HDレコーダの1TBモデル「HVTR-T3HD1T」と、2TBモデル「HVTR-T3HD2T」を今月下旬から発売する。
 「HVTR-T3HDTシリーズ」は同時録画数と録画容量を中心に、録画にこだわったシンプルなハードディスクレコーダ。自分専用のレコーダが欲しい時、もっとたくさんの番組を録画したい時に最適。
 1TBモデルなら最大約1090時間も取れるうえ、トリプルチューナ搭載で「3番組同時録画」も可能。またハードディスクはUSB接続なので、録画容量がいっぱいになったら簡単に交換できる。
 家庭のネットワークに接続すれば、スマホやタブレットからでも録画予約や視聴はもちろん、スマホへの自動持ち出しも可能になる。


電波新聞拾い読み 2018年1月1日