JVCケンウッドは、デジタル無線の国際規格「DMR」に対応した業務用無線事業の拡大を図るため、「DMR」に対応した中継器などの開発・販売を手がけるイタリアのRadio Activity社が発行する全株式を取得し、同社を完全子会社化することを決定した。
JVCケンウッドの主力事業の一つとなる無線システム事業は、世界各国の警察・消防・救急などのパブリックセーフティ市場をはじめ、電気・水道・ガスなどのパブリックサービス市場、ホテル・小売業などの民間市場に信頼性の高い業務用無線システムを供給している。
今後の市場規模の継続拡大が見込まれる北米のパブリックセーフティ市場を中心に、米国無線システム子会社との連携を強化し、北米向けデジタル無線規格「P25」に対応した業務用無線トータルソリューション事業を推進している。また、デジタル無線規格「NXDN」に対応した業務用デジタル無線システム「NEXEDGE」を世界各国に展開。パブリックサービス市場をはじめとする幅広いユーザーの課題を解決するデジタル無線ソリューションを提供している。
一方で、アナログ方式からデジタル方式への切り替えが最も遅れていた民間市場においても、デジタル化が急速に進展している。特に低コストで小規模なシステム構築が可能な「DMR」に対応した業務用デジタル無線システムへの需要が高まっている。このような環境のもと、JVCケンウッドとしても「DMR」に対応した無線システムソリューションのラインアップ強化が急務となっている。
「DMR」システムに対応した中継器などの開発・販売を手がけるRadio Activity社は、特にサイマルキャスト対応についてはアナログ規格の時代から培った技術力とノウハウを有しており、Radio Activity社の子会社化によって、高機能と信頼性を兼ね備えた「DMR」対応無線システムソリューションの提供が可能となる。