かつて厳しく使用を制限された旅客機内でのスマホなどによるインターネット接続が当たり前のサービスになりつつある。日本航空が6月から国内線でWi-Fi接続を無料にしたほか、全日本空輸も国内線や主要な国際線で有料でのWi-Fi接続や動画配信サービスを提供。
多くの通信衛星を保有するスカパーJSATがこうした航空各社のネット接続サービスを支援している。
スカパーは北米からインド洋の上空の静止軌道に17基の衛星を保有。このうち8基を通信専用として運用しており、特に日本周辺で強い電波を出せる。これらの通信衛星が機体上部に専用アンテナを装備した旅客機と地上の基地局にそれぞれ電波を照射し、空の旅でのネット接続を実現している。
スカパーは航空機向けの通信サービスを12年に開始している。国土交通省が14年に使用制限を緩和したことが追い風となった。
スカパーは同様の仕組みを使い、10年から船舶向けに自社でネット接続サービスをはじめ、導入実績は300隻を超えた。「そう遠くない時期に倍増させる」計画で、旅客機と合わせ新たな事業の柱に育てたい考え。