東芝は23日、6月末が法廷期限の17年3月期有価証券報告書の提出の期限延長を関東財務局に申請し、承認された。延長は8月10日まで。17年3月期連結業績については、3月末の債務超過額が従来予想の5400億円から5816億円に拡大する見通しだと発表した。
これを踏まえ、東証は上場ルールにした外、東芝株を8月1日付で東証1部から2部に降格させると発表した。
有価証券報告書の延期申請は、四半期ベースを含め、不正会計が発覚した15年3月以降で5度目となる。延期は、米原発子会社ウエスチングハウス(WH)の巨額損失の認識時期をめぐる監査協議が終わらず、決算確定が遅れているため。投資判断に重要な経営情報を提供する報告書の度重なる延期は極めて異例。東証が行っている東芝株の上場維持の是非の審査への影響は必至だ。
東証は有価証券報告書に基づき、上場市場を判断する。報告書は遅れているが、東芝が別途提出した財務書類で「3月末の債務超過を確認した」として、2部降格を決めた。来年3月末までに債務超過を解消できなければ、上場廃止となる。