トップページ > 電波新聞拾い読み > 2017年2月20日

電波新聞拾い読み 2017年2月20日

アイコム デジタル通信対応受信機IC-R8600

 アイコムは3月末から広帯域をカバーするデジタル通信対応受信機「コミュニケーションレシーバー」IC-R8600を発売する。希望小売価格22万8000円(税別)。
 電波探知や通信内容の聴取、受信内容の記録など、趣味としての受信から業務用との高度な電波監視・分析に必要な性能、機能を備えた。
 10kHz-3GHzの広帯域を多彩なアナログモード(USB/LSB、FSK、CW、AM、FM、WFM)でカバーできる。同社受信機で始めてデジタル簡易業務無線機(DCR)の受信に対応した。日本アマチュア無線連盟が推奨するデジタル通信D-STAR、海外の業務用無線規格NXDN、dPMR、P25のデジタル方式の電波も受信可能。
 FPGA+DSP方式を採用し、復調を全てソフトウエアで処理。イメージ受信に有利な回路構成でクリアな音声受信を実現した。スペクトラムスコープ精度、表示速度は復調部にアナログ回路を含むものと比べ格段に高い。RF部のフロントエンドに11分割(HF帯)、13分割(V/U帯)したバンドパスフィルタを用い、優れた受信感度と多信号特性を持つ。
 高速・高精度なスペクトラムスコープとウオーターフォールの実れょくを引き出す高精細な表示が可能なタッチ操作対応の4.3型カラーTFT液晶を搭載。3つの多機能ダイヤルを備え、機能への素早いアクセスを実現した。漢字を用いたチャンネルネーム書き込める2400ch大容量メモリーch/秒の多彩なスキャン機能を可能にした。
 PCからの操作やLAN経由の遠隔操作にも対応。SDカードへの音声録音、信号強度の絶対値表示機能も装備。別売オプションで電源内蔵外部スピーカを用意した。


東京工業大学 次世代スパコン「ツバメ3」開発

 東京工業大学は17日、次世代のスーパーコンピュータ「TSUBAME3.0(ツバメ3)」を今夏の稼働に向けて開発すると発表した。10年11月に稼働した既存のツバメ2.0と比べ約5倍の速度ながら、消費電力量を2.0よりも抑えている。開発は政府が調達した「クラウド型ビッグデータグリーンスーパーコンピュータ」で行い、日本SGIが落札した。今後はSGIやGPUの米エヌビディアなど関係各社と共に進めていく。
 ツバメは06年に1.0を稼働し、演算性能は80T_FLOPS(浮動小数点演算で1秒間に80兆回)を実現し世界7位になった。10年にはツバメ2.0を稼働。演算処理性能2.04P_FLOPS(浮動小数点演算で1秒間に2400兆回)を実現し、当時は国内最速、世界4位の性能を誇った。大学での学術研究だけでなく、企業や学生など誰でも使える「みんなのスパコン」として活用されている。
 2.0は13年に処理性能力を向上し5.7P_FLOPSまで性能を高めたツバメ2.5にアップデートされ、現在も幅広く運用されている。ツバメはいち早くエヌビディアのGPUを採用し、歴代システムに搭載してきた。今回のツバメ3も最新のGPUを搭載するとともに、これまでのスパコン開発と運用の経験を生かし開発していく。


電波新聞拾い読み 2017年2月20日