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電波新聞拾い読み 2017年1月4日

電機業界 分野別見通し

▽家電(AV)
 17年のAV市場は高精細4Kテレビを中心に大画面テレビの買い替えや置き換えが一層進む。これまでの液晶パネルによる4Kテレビに加え、今年は有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビが増えてくるとみられる。オーディオ関連はCDより高音質なハイレゾ対応機器の充実に伴い、高音質で音楽を聞く文化が再燃し、アナログレコードの市場も再び活性化してきそうだ。
 4Kコンテンツもさらに増えてくる。CDやIPTV、CATVでの4Kコンテンツ配信が増え、配信コンテンツ数も拡大してきている。昨年はBSでの4K・8K試験放送も始まった。デジタルカメラやビデオカメラ、レコーダなどは4K対応機がさらに増えている。今年も4Kを中心に、関連製品が増えてくる。

▽白モノ家電
 白モノ家電市場は今年も安定した買い替え需要が見込める。住環境の変化で白モノ家電をインテリアの一部と見る流れが強まっており、機能だけなくデザインも重視した高付加価値品の販売が好調に推移するはずだ。
 エアコンや冷蔵庫、洗濯機などは冷夏などの季節要因に左右される面もあるが、一定規模の需要確実にある。
 中でもエアコンは北海道や東北などの寒冷地での販売が増えており、需要の底上げにつながっている。
 シニア層、女性などターゲット層別の製品開発も、今年さらに加速することが予想される。様々な機能を盛り込んだ製品よりも、単機能ながら外観デザインや特徴的な機能を盛り込んだ製品で付加価値を出す傾向が強まっており、こうした製品は消費者からの支持も集めている。
 ZEH(ネット・ゼロ・得るギー住宅)の普及が進むにつれ、白モノ家電の省エネ性にもさらに注目が集まるはずだ。スマホを核にした家庭内のエネルギー制御も重要になってくる。

▽情報通信
 17年の情報通信市場はクラウド、ビックデータに加え、IoTとAIの市場が立ち上がってくる。特にデジタル変革をキーワードにした製品やサービスが増えるとみられる。
 これまでPOC(概念検証)が中心だったIoTは実際の導入案件も増えそうだ。金融向けではフィンテック関連の案件が増えてくる。同時にクラウドの利用はさらに進む。
 現場部門のシステムに加え、基幹系システムのクラウド化も浸透してくるだろう。
 今年はセキュリティの対応も増えてくる。昨年は標的型サイバー攻撃の拡大に加え、ランサムウエア(身代金要求型ウイルス)が一気に拡大した。被害も増えており、企業や自治体でのセキュリティ対策が急務になっている。自治体ネットワークセキュリティの強靱化に向けた投資も進むことから、各社のセキュリティサービスメニューはさらに増えてくるみられる。
 17年度の国内通信機市場は底を打ち、18年度から回復に向かう見通し。情報通信サービス産業協会(CIAJ)の中期需要予測によると、モバイル関連でLTEが一巡し、そのほかの機器でも買い替え需要が中心になるためだ。
 18年度以降は回復の兆し。20年度までに5Gサービスの開始が予定されていることから、19年度以降は需要が増加するとみられる。

▽半導体
 17年の半導体市場はあらゆる産業領域におけるデジタル変革の流れを受け、安定的な成長が予測される。
 市場拡大を続けてきたスマホは台数ベースでの成長率は鈍化するものの、高機能化や中国スマホのメモリー容量拡大により需要増に期待。
 自動車分野では将来の自動運転を見据えて、半導体の需要は伸長していく。
 産業機器や医療・ヘルスケア、環境・エネルギーなど幅広い分野での利活用が始まっているIoTは、17年も引き続き拡大していくと見込まれている。
 今後、IoTで収集した膨大なデータにAI技術を掛け合わせることで新たな価値やサービスを生み出す動きがで始めている。AIやディープラーニングを支える高速演算処理を行うプロセッサなど、最先端技術においても半導体の果たす役割は高まっている。
 17年は大型の設備投資を予定する半導体メーカーも多く、市場拡大が続く。WSTS(世界半導体市場統計)によると、17年は+3.3%、18年は+2.3%と緩やかな成長が継続すると予測される。

▽電子部品
 17年の電子部品市場は2年ぶりの成長会期が期待される。分野別では、電子化/EV化が進む自動車を最大のけん引役に、スマホをはじめとする高機能モバイル端末や産機/社会インフラ関連での需要増大が期待されている。

▽放送・CATV
 放送業界の感震は4K・8K。特に16年4-11月の4Kテレビ累計出荷台数は77万台あり、前年同期より87%増と普及に向け伸びがハイペース。消費者の関心は4Kへと移りつつある。
 スカパーJSATは昨年12月22日、新たな110度CS衛星の打ち上げに成功、左旋波を使って今年4Kの試験放送を行う。NHK破婚夏以降に打ち上げのBS衛星「BSAT4a」を使って、18年から4K・8Kの実用放送を予定している。
 ケーブルテレビ業界は4K実用放送を開始して1年。今年以降は4Kコンテンツの蓄積に努め、同時に4Kを伝送するための完全FTTH化に取り組む年でもある。
 ケーブル業界が加入世帯別に持っているIDを業界統一の共通IDにする構想「ケーブルID」を実用化する年にもなりそうだ。


ソフトバンク 米携帯電話「第三極」なるか

 米携帯電話業界に、新たな再編の兆しが出てきた。トランプ次期政権が掲げる規制緩和への期待から、下位2社の間でかつて立ち消えとなった合併話が再浮上。当時、合併によって上位2強に対抗できる「第三極」づくりを目指したソフトバンクグループの孫正義社長が、再び台風の目となりそうだ。
 16年12月にニューヨークでトランプ次期大統領との面会を終えた孫社長は新政権の経済政策に期待を示した。
 米国への巨額投資と雇用創出という「手土産」を持参した孫社長をトランプ市は歓迎。14年に断念した子会社の業界4位スプリントと3位TモバイルUSとの合併に向けた地ならしとの観測が一気に広がった。
 さらに、市場の寡占化を懸念し、両者の合併に強く反対した米連邦通信委員会(FCC)のウィーラー委員長が、新政権が発足する20日付けでの退任を発表。後任は未定だが、トランプ市の規制緩和路線を体現する人物が就けば、合併には追い風となる。
 一方、合併観測の高まりをよそに「少し熱を冷ました方がいい」と実現に慎重な声もある。Tモバイルの企業価値が以前より増していることに加え、英半導体設計大手を買収したばかりのソフトバンクには債務負担が重くのしかかっているからだ。
 だが、孫社長はかつて、米業界を中国の三国志にたとえ「健全な競争のためには三つどもえで戦う方がいい」と持論を展開。政権交代を機に「次の一手」を繰り出すとの見方は根強い。


米WD 超高速マイクロSDカードを日本で販売

 米ウエスタンデジタル(WD)は、超高速マイクロSDカード「サンディスク エクストリーム プロmicroSDXC UHS-Uカード」の日本での発売を開始した。
 新製品は原稿の「UHS-T」と比べて約3倍の転送速度を実現。最大読み取り速度275MB/秒、最大書き込み速度100MB/秒のパフォーマンスを発揮し、スマホやアクションカメラ、ドローンなどで撮影した高品質大容量動画ファイルのデータを高速移行させることができる。容量は64/128GBの2種類を提供する。
 SDスピードクラスCLASS10、およびUHSスピードクラス3(U3)対応。「Work With GoPro」認証を取得しており、過酷な環境下でGoProカメラと共に使用しても最適な性能と信頼性を提供する。すぐれた耐衝撃性や耐熱性、防水性、X戦隊性を実現。UHS-Tのホスト機器と下位互換性を有する。


5Gサービス 欧州、18年の商用トライアル目指す

 欧州が次世代高速大容量通信(5G)サービスで18年の商用トライアルを目指す。20年までにはEU(欧州連合)各国の主要都市で、25年までには全ての都市部を5Gのカバーエリアにする計画。
 EUが昨年9月まとめたアクションプランでは、遅くとも20年末までに域内で大規模商用化したい考え。さらに25年末までには全ての高速自動車道、国道、鉄道沿いに5G網を敷設してカバーエリアを拡大する。
 そのためには19年の世界無線通信会議(WRC-19)に先駆け、5G向けに1GHz以下、1GHz-6GHz、6GHz以上といった3つの暫定周波数帯の確保に努める一方、5G関連の開発をサポートするため、業界主導の資金確保の推進などを行う。
 EUでは5G向けには3.5GHzが最適とする意見もある一方で、長期的には6GHz以上を推奨する動きもある。


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