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電波新聞拾い読み 2016年9月6日

JEITA 6月の電子部品世界出荷額6%減

 JEITAが発表した6月度の電子部品グローバル出荷額は、前年同月比6.4%減の3159億円となり、7カ月連続で前年同月比マイナスとなった。海外大手スマホ企業の生産調整や、中国経済減速にともなう産機/設備関連需要の低迷などが影響し、為替の円高も響いた。ただし、下落率は5月度の同7.9%からはやや改善した。
 地域別では、欧州が好調な自動車関連需要などに支えられ、同0.2%増とわずかに前年同月を上回ったが、それ以外の地域は軒並み減少となり、特に中国は1割を超える減少となった。


サムスン電子 1.3インチ円型有機EL採用スマートウオッチ

 韓国サムスン電子は、独ベルリンで開催中の「IFA2016」でスマートウオッチの最新モデル「ギアS3」を発表した。
 スポーティタイプの「同フロンティア」と、クラシカルな「同クラシック」の2種類。いずれも1.3インチの円型スーパー有機ELディスプレイ(360×360解像度)採用で、前世代「ギアS2」と同様に回転ベゼルを備える。サイズ46×49mm、厚さ12.9mm。
 OSは「Tizen」ベースのウエアラブル・プラットフォーム2.3.2。380mAhバッテリを搭載し、1回の充電で最長4日間使用できる。IP68防水機能装備。
 ギアS3は年内に米国で発売開始の予定だが、価格は未定。新モデルは主に男性をターゲットとするが、小型の製品を求めるユーザー向けにギアS2も引き続き販売する予定。


ニコン 一眼レフカメラ「D3400」

 ニコンイメージングジャパンは、ニコンDXフォーマットデジタル一眼レフカメラのエントリモデル「ニコンD3400」を9月16日に発売する。
 「D3400」は、「SanpBridge」アプリとBLEテクノロジーにより、カメラとスマートデバイスを接続することもできる。撮影した写真を自動でスマートデバイスへ転送できる。
 「D3400」で撮影したデジタル一眼レフカメラならではの高画質な写真を、スマートデバイスからSNSへすぐにアップロードできるため、写真をシェアする喜びや撮影の楽しみが大きく広がる。
 市場想定価格(税込み)はボディー単体で6万5000円前後。


特集 業務用無線

 地震、豪雨、豪雪、竜巻、噴火などの自然災害が頻繁にに発生。悪条件下でも遮断されない通信手段として業務用無線機が再認識され、無線局数が増加し続けている。デジタル化し、パワーアップが認可された「デジタル簡易無線」が好評。ネットや携帯電話回線との連動製品も登場し、利用・活用の場が拡大している。
 16年3月末の無線局総数は1億9984万局で、前年比12.6%の伸びだった。今年は2億局を突破する。
 携帯電話やスマホなど「電気通信業務」に分類される無線局が98%強を占めている。桁違いだが、業務無線に使われている「簡易無線」の104万8585万局が次点で、前年より8%延びている。
 簡易無線は08年にデジタル方式が制度化された。351MHz帯で35ch、467MHz帯で65chの合計100chが割り当てられ、出力も5Wに強化されている。特定グループだけの通信ネットを構築することも可能になった。22年11月30日で、従来のアナログ対応の無線機は使えなくなる。
 運用面では、高所および上空での使用が許可されて、データ通信も可能。イベント用など短期間の使用ができる無線機のレンタル制度も許可されたため、利用者が増えている。
 業務用無線機は「ケータイ」登場時に影響を受けて減少したが、東日本大震災以降、堅調な伸びを示している。
 業務用無線機のトップシェアを占めるデジタル簡易無線は、次の項目で高い評価を得ている。
 @使用者が無線従事者の免許を持っていなくても使える A無線局の免許人以外の人でも運用できる Bレンタルで使用できる Cボタンを押すだけで送信できる D同時に複数局に情報伝達できる同報機能がある E通話料金が不要 F特定周波数を利用しているため、電波到達エリア内では安定した通信網を維持する G5Wの高出力とデジタル方式のため、遠距離とも安定した通信ができる H特定の局だけで通信ができる。
 ホテルや娯楽施設などのサービス業、警備やイベント進行、病院、販売店、企業、工場、工事や建設現場など、以前から無線機を活用してきた各分野においてもデジタル簡易無線は利用されている。
 電波は遠距離になるほど微弱になるが、デジタル方式では音声出力が劣化しにくく、無線通信の質が高い。アナログ機を利用する顧客もまだ多く、リプレース需要は確実に増えてきている。
 両手が自由に使える状態で通話できるヘッドセットや、建物の壁や床を回避して、通達エリアを拡大できる中継機などのアクセサリが充実している点も好評だ。
 さらに、趣味としてデジタル簡易無線を購入する層も増えてきている。
 量販店では、デジタル簡易無線よりさらに簡便に使える特定小電力トランシーバのコーナーが定着している。
 購入してその場で使えて、かつ価格も安いことから、町内の行事やレジャー、業務にも利用されている。
 小型でカラフルな機種のほか、ヘッドセットや中継機なども豊富にそろっており、安定した需要がある。購入者は業務用無線機の導入予備軍とみてもよい。
 最近は企業や自治体規模の安心・安全インフラ構築目的で、デジタル簡易無線を利用する事例が増えてきている。
 業務用無線機の提案先には、個人、家庭、企業や学校、自治体などがある。特定グループでの通話を楽しんだり、レクリエーションや行事を円滑にする目的で普段は活用している。いざというときは安心・安全確保に役立つ強力なツールになる。しっかり販売していきたい。


電波新聞拾い読み 2016年9月6日