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電波新聞拾い読み 2016年7月27日

米ベライゾン 米ヤフーのネット事業を買収

 米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズは25日、米や検索サービス大手ヤフーのインターネット事業を48億3000万ドルで買収すると発表した。ベライゾンは昨年6月に買収したAOLとヤフーの資産を統合。中核事業を手放すヤフーは社名を変え、資産管理会社となる。
 ヤフーは95年創業。ネット起業の草分けとして一時代を築いたが、スマホ対応の遅れなどが響いて業績が低迷。12年に元グーグル幹部のマリッサ・メイヤー氏をトップに招き入れ経営再建を図ったものの、業績は改善せず事業売却に踏み切った。
 日本法人であるヤフージャパンの株式や、中国電子商取引大手アリババグループの株式ほか、ヤフーの転換社債、非中核の特許技術などは引き続き保有する。
 ベライゾンはAOLと並ぶ米国最大規模の総合通信企業で、携帯電話事業では国内首位。しかし競争激化で収益は伸び悩んでおり、昨年6月に44億ドルで買収したAOLへの依存度が強まっている。同社は今後、ヤフーとAOLを統合し、モバイルメディアの競争力を強化する。


TDK、ニッパツに立ち入り検査 HDD部品で価格カルテルか

 パソコンなどに使われているハードディスクドライブ(HDD)用の部品について、価格カルテルを結んだ疑いが強まったとして、公正取引委員会は26日、独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで、TDKとニッパツのメーカー2社を立ち入り検査した。
 関係者によると、2社は数年前から、HDD内部に使用する「サスペンション」という部品の販売価格について、事前に話し合って決めていた疑いが持たれている。
 HDDは高速回転するディスクに電子データを記録。サスペンションはデータを読み書きする「磁気ヘッド」を支え、ディスクとの隙間を一定に保つアームのような部品という。
 ニッパツは取材に対し「立ち入りは事実。公取委は全面的に協力する」と回答した。


VAIO PCの海外販売拡大

 VAIOは16年度、主力のパソコン(PC)事業と新規事業として取り組んでいる受託(EMS)事業の成長を目指すとともに、第三のコア事業を立ち上げていく。PCは国内で法人向けを強化するほか、海外での販売エリアを拡大し、海外ブランド展開も加速する。
 14年7月に設立した同社は15年度、自立と発展を目指し、長野・安曇野を拠点にPCの設計製造から販売、サポートまでの一貫した体制を構築。PCでは法人向けの製品展開を強化するとともに、スマホへの進出も果たしている。
 PCで量販店ビジネスを始めたほか、直営ECサイト「バイオストア」も開設。法人事業も本格化し、全体売上げの半数以上が法人向けになってきている。海外は米国とブラジルにも進出している。
 新規領域ではEMS事業もスタートした。同社が持つモノづくりの強みと、AI(人工知能)ロボット「AIBO」時代に培ってきたロボット製造技術を生かし、ロボティクス、IoT、FAなどのプロジェクトを進行中だ。
 この成果から15年度は売上げを14年度比2倍に増加。営業利益も前年の20億円の赤字から黒字化に成功し「V字回復を達成した」。
 第三のコア事業の立ち上げも重点施策として取り組んでいく。「PC、スマホ、EMSの発展として考え3本目の柱をつくっていく」計画で、投資、ジョイントベンチャーも視野に入れ、今年度中に形にしていく。
 海外も強化する。昨年からも米国、ブラジル向けに進出したが、今年はアルゼンチン、チリ、ウルグアイで販売を始める。パートナーがVAIO商標を付けたPC製造と販売、サービスを行うもので「海外は適切なパートナーを見つけ、拡大していく」構えだ。
 同日にはPCの新製品も発表した。新製品「VAIO C15」は雑貨や服のように選べるファッショナブルPCで、インテリアやファッションにこだわりを持つ人に向け提案していく。


東洋計測器 本店ビル1階にバー開店

 東洋計測器は東京・秋葉原の同社計測ランドビル1階に、おしゃれなバー「Gauge(ゲージ)」をオープンした。
 同社は国内外の幅広い計測器メーカー代理店として、製品の販売を行っている。秋葉原の本店計測ランドビルにはショールームを兼ねた店舗、サービスショップ、リセール(中古)計測器販売センターなどを設けるほか、ラジオセンター1号店やハンドヘルド店、HIOKIショップも構えている。
 八巻社長は「秋葉原で1951年の創業以来、計測器の技術商社として事業の拡大に取り組み、今年で65年になる。約30年前から、計測器の歴史を次の世代に引き継ごうと、様々な計測器を収集してきた。秋葉原の地で、計測器の歴史や将来を酒を飲みながら語り合える場を提供するためにバーを開店した。秋葉原の新しい名所にしたい」とバー開店の思いを語る。
 店内には同じ1本の大きな木から作り上げたというカウンタとテーブルがあり、収容は約20人。
 壁面には1930年から70年にかけて生産され、日本の戦後復興や発展に貢献した電気計測器の実物が展示されている。
 中には1800年代に中国で日常使用されていた穀物計量用の標準秤、1900年代初期に米ウエストン社で製造され、その後の世界の指示計器の手本となったと言われるスケルトン構造のアナログメーターなど、計測器市場貴重な製品も含まれている。
 ”心地よい音楽”を流すオーディオ機器にもこだわっている。真空管アンプ「MC368-B5」、マッキントッシュ製コントロールアンプ「C34V」、アナログプレヤーは「ガラード301」、スピーカはタンノイ製「エジンバラ」など、約40年前の機器を設置している。


電波新聞拾い読み 2016年7月27日