国内アンテナメーカー各社は18年に実用放送が予定されている4K・8K放送に向けた家庭用の4K・8K対応受信機器を相次いで発売している。18年からBSで予定されている4K・8Kの実用放送は現状のBS放送よりも高い周波数帯を使うことから、家庭で試聴するには対応する衛星アンテナやブースタ、分配器、ケーブルが必要になる。各社は分配器などをいち早く製品化するとともに、衛星アンテナなども順次発売。4K・8K放送に関連する周知活動も本格化している。
現在の放送は、地上デジタル放送が470MHz-710MHz帯を使い、衛星放送は右旋円偏波によりBSが1032MHz-1489MHz帯で、110度CSが1595MHz-2071MHz帯で送信されている。
これに対し、18年からの4K・8K実用放送は新たに打ち上げられる衛星を使い、BSとCSのいずれも左旋円偏波で送信される。加えてBS左旋は2224MHz-2681MHz帯、110度CS左旋は2748MHz-3224MHz帯で送信するため、既存のアンテナや混合器、ブースタ、分配器、ケーブルでは受信できない。
実際、これから新築する住宅などには、将来を見据えた4K・8K実用放送も受信できる宅
内受信機器の設置が必要になってくる。
特に混合器や分配器、直列ユニットなどは壁内配線が必要になるため、一部の住宅メーカーなどからは4K・8K対応の宅内機器の発売を求める声も出てきている。
電子情報技術産業協会(JEITA)やベターリビング(BL)、日本CATV技術協会(JCTEA)などでは機器の検証などを実施して業界の規格化を進めており、4月からは順次規格化が始まってきた。この流れを受けて、国内アンテナメーカー各社は4月以降、順次、対応機器の発売を始めている。
現在スカパーJSATが放送している124/128度CSによる4K実用放送やNTTぷららやネットフリックスが行うインターネット回線での4K配信は4Kテレビへのチューナ接続で受信でき、18年以降も継続して視聴可能。
一方、今年8月からBS17チャンネルで始める4K試験放送は既存のBS右旋による送信だが、専用のチューナーが商品化されていないため、一般家庭では視聴できない。NHKの放送局などで確認できる。