14日夜に震度7を記録した熊本地震は16日未明以降も震度6級が相次いでおり、電機各社が熊本県内で稼働している工場にも影響を及ぼしている。各社とも地震発生直後に生産ラインを停止しており、17日も再開していないところがある。幸い各工場とも建屋、生産ライン、従業員などに大きな被害は出ておらず、復旧に向けた点検作業を行っている最中だ。交通網では九州自動車道が通行止めとなっているほか、九州新幹線も全面運休となり、復旧のメドも立っていない。16日未明から早朝にかけて発生した震度6強の地震、阿蘇山の噴火など、被災範囲も拡大していることから予断を許さない状況が続いている。
三菱電機は熊本県内にパワー半導体などを生産するパワーデバイス製作所(合志市)と各種TFT液晶モジュールを生産する液晶事業統括部(菊池市)を24時間365日体制で稼働していたが、地震発生時に両工場とも生産ラインを停止した。従業員や建屋、設備に被害はなく、翌15日は一部の管理職を除いた一般従業員は自宅待機をして対応した。
ソニーはグループのソニーセミコンダクタマニュファクチャリングがCMOSセンサーなど最先端映像デバイスを量産する熊本テクノロジーセンター(菊陽町)を24時間365日体制で稼働。地震発生時には全ラインを停止し従業員は避難し対応した。
ルネサスエレクトロニクスは熊本県に川尻工場(熊本市)、錦工場(錦町)があり、震源地に近い川尻工場は稼働を停止。従業員は全員避難し、人的被害はなかった。錦工場は地震の影響はなく、通常通り稼働している。
電子ディスプレイ用部材を24時間体制で生産する富士フイルム子会社の富士フイルム九州(菊陽町)は地震発生時に全てのラインを停止した。従業員や建屋、設備に大きな被害は出ておらず翌日から設備点検を開始、余震などの状況を見ながら柔軟に対応していく考え。