シャープは、鴻海の傘下に入り経営再建に向け新たに船出する。2日、鴻海科技集団の郭台銘(テリー・ゴウ)会長とシャープの高橋興三社長は、グリーフロンティア堺の堺ディスプレイプロダクト(SDP)で出資契約に調印した。
調印のあと共同会見に臨んだシャープの橋社長は、「鴻海からの資本提携を含む広範な戦略パートナーシップを含む提案を受け入れる。今回の合意は、シャープの経営拡大への寄与と財務体質改善に貢献し、既にSDPで成功している両社に、さらなるシナジーが生まれる」と話した。
また、「今回の戦略提携により、グローバルでの競争力強化につなげられる。鴻海からの支援で財務内容の改善と新たな成長に向けた投資を行っていきたい」などと語った。
鴻海の郭会長は、「きょうは重要な1日となった」とし、シャープの105年にわたる長い歴史で、常にイノベータとしてのDNAを持ち続けてきた同社を高く評価し「お互いが補完しあって一緒に成功できるだろう」と話した。
また「105年の歴史ある企業が、なぜ台湾企業と提携するのか疑問に思う人もいるだろうが、世界はフラット化し、グローバル企業には国境もない。2社の中に文化的な違いはあっても、違いの上に立って創造的イノベーションをしながら製品開発に集中することで、新しい成長の段階に持って行ける。違いは大きな資産とし、お互いを高いところへ持ち上げたい」と今後の飛躍への期待を語った。
その上で郭会長は、シャープ再建に向け「明確なロードマップを持っている」とした。詳細は明かさなかったが「シャープがスピーディな技術とコスト競争力・高品質により、グローバルに最先端の消費者ニーズに対応できる企業にする支援をしていく」と話した。