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電波新聞拾い読み 2015年7月2日

NICT 1日に”うるう秒”挿入

 1日は3年ぶりに普段より1秒長い日となった。日本標準時の維持・通報を行っているNICT(情報通信研究機構)が”うるう秒”を入れたからだ。
 1日の日本標準時、午前8時59分59秒と9時00分00秒の間に「8時59分60秒」とする1秒を挿入した。今後またいつあるか予想できないこともあり、雨の中、多くの人が歴史的瞬間を見守った。
 地球の自転による天文時刻(世界時、UTI)は、一回りにかかる時間を24時間とし、1秒の長さとするもので、1000分の1秒という単位で見ると常に変動している。
 そのため約50年前に原子(セシウム133)の出す規則正しい電磁波を用いた原子時計(協定世界時、UTC)が採用された。原子時計は正確であるため両方の時刻に差が生じてしまう。その誤差を修正するのが今回行われた”うるう秒”。
 今回実施した”うるう秒”は、各国が参加する国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)で変更(廃止)を検討しているが、結論はまだ出ていない。


米マイクロソフト ディスプレイ広告事業をAOLに委託

 米マイクロソフト(MS)は6月29日、モバイル、動画を含めたディスプレイ広告事業を米AOLに委託すると発表した。
 また10年契約の一環として、両社はAOLが自社サービスでの検索エンジンに、米グーグルに変わってMSの「Bing」を採用することでも合意した。
 MSはWeb上で展開するディスプレイ広告事業から撤退することになる。
 今後はAOLが米国、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、英国の9カ国の広告販売を引き受ける。


パナソニック 非圧縮で高音質再生のワイヤレススピーカ

 パナソニックは、Wi-Fiを利用して複数の機器で同時に音楽を再生する規格「All Play」に対応したコンパクトなワイヤレススピーカシステム「SC-ALL2」を7月24日から発売する。市場想定価格(税別)は3万円前後。
 新製品は一度Wi-Fiで接続を設定すれば、スマホから簡単に接続ができるほか、電源の立ち上げから再生までもスマホで操作できる。さらに、Wi-Fiを使って伝送することで音声圧縮がなく、高音質な音楽を楽しめる。また、新製品を2台組み合わせればステレオスピーカとしても使用できる。
 新製品と同じネットワークに接続されたスマホやパソコン、他のAll Play対応機種と連携し、それらの機器に保存されている音源も楽しむことができる。


ソニー 話せて動く機能搭載の球形ブルートゥーススピーカ

 ソニーは、音声認識による操作に対応したブルートゥーススピーカ「BSP60」を7月11日から国内発売する。
 専用アプリケーションをインストールしたAndroid機器に接続すると、通常のスピーカとして楽しめるほか、音楽再生中に自動的に動くことで表現豊かなアクションを楽しめる。
 また、音声による問いかけに応えてくれるボイスインタラクション機能も搭載している。問いかけに応じて、天気やスケジュールなどを読み上げたりする。
 音楽再生に合わせてスピーカ本体がアクションする機能を搭載。音楽に合わせて、スピーカカバーが動き、LEDライトがシンクロする。さらに、本体が回転したり前進するなど多彩なアクションで音楽を彩る。
 市場想定価格(税別)は3万5000円前後。


用語解説 SIP

 Session Initiation Protocolの略で、IP(インターネット・プロトコル)電話などで使う通信制御用のプロトコルのこと。インターネット電話やWeb会議システムなどで、発信や着信、応答、切断といった呼制御をするほか、データ、画像のやりとりを行うために使われる。
 199年にインターネット技術の標準化推進団体IETF(Internet Engineering Task Force)により発表され、2002年に標準化された。SIPはテキストで記述されることから単純で拡張性が高い。一般的にインターネットとの親和性が高いといわれており、ソフトの機能追加などもしやすい。
 プロトコルはインターネット上での通話や通信の開始などに使うことが目的になっており、接続後のデータについては定めていないため、通話やテキストメッセージ、画像のやりとりなど幅広く応用ができる。機器の制御などにも使えるが、実際はSIP対応システム間の接続でもメーカーなどが違う場合はうまく動作しないこともあるため、接続憲章をする必要があるといわれている。


電波新聞拾い読み 2015年7月2日