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電波新聞拾い読み 2014年1月6日

エレクトロニクス産業 成長に向け歩み出す

▽白モノ・太陽光
 白モノ家電市場では、製品の多様化が進む中で高級機種の販売が伸びてきている。今年もそうした傾向は強まり、500リットル以上の高付加価値冷蔵庫や、高い省エネ制御と快適な気流制御、自動お掃除機能などを備えたエアコンなどの販売増が期待される。
 太陽光発電は、住宅用では13年度は昨年12月末の段階で補助金申請が17万2000件超と、約33万件となった昨年度に比べるとその勢いはない。しかし、消費者の創エネに対する関心は高いうえ、価格面での訴求力も増しており一定規模の需要は見込める。
 10kW以上の産業用は依然として需要は旺盛で、昨年7月末の段階で2GW以上の設備認定を受けている。業界では、4月以降は売電価格が30円台前半に下がると予想されるが、認定を受けた設備へのモジュール供給は続くため、今年も出荷数量は拡大が見込まれる。

▽電子部品
 14年の電子部品の世界需要は、好調だった13年に続き2年連続での拡大が見込まれる。
 分野別では、13年同様、電子化/EV化が進む自動車と、スマホ/タブレット端末などの高機能モバイル端末が部品需要のけん引役として期待される。加えて、一部製品を除き低調が続いた設備投資関連の部品需要も、14年は本格的な回復が期待されている。特に日系部品メーカーとしては、アベノミクスによる円高修正が大きな追い風となる。
 スマホ市場は米韓大手2社に加え、急成長を続ける中国系有力端末メーカーの世界市場での存在感が一層増すことが予想される。日系部品各社も中国系スマホメーカーへの拡販がより重要性を増していく。
 デジタル家電向けの部品需要は、14年も苦戦が予想されるが、デジタル一眼レフや4Kテレビ向けなどでの付加価値の高い部品需要が期待される。

▽AV
 14年のAV市場は、フルハイビジョンの4倍の画素を持つ4K対応液晶テレビをはじめとした付加価値の高い製品を前面に展開を図っていく。主軸のテレビやレコーダは2月のソチ五輪、6-7月のサッカーW杯ブラジル大会といったスポーツイベントをきっかけに大画面テレビを訴求していくことが鍵になる。
 11年のアナログ放送停波に伴う駆け込み特需の反動を受けたテレビやレコーダも昨年夏頃から回復基調になってきた。昨年6月以降に主要各社から4K対応テレビが発売されたことで販売単価も上昇しており、メーカー、流通からの期待も大きい。

▽放送・CATV
 4K放送は今年、衛星とケーブルでの試験放送が行われるかもしれない。
 昨年12月26日には、次世代放送推進フォーラムが次世代の動画圧縮規格「HEVC/H.265」を使い、世界初のリアルタイム中継による衛星放送の実証実験に成功。14年の試験放送に向けた準備を進めている。
 CATV業界もNHKとKDDIの協力を得て、昨年2月に光ケーブルによる4K・8K放送の可能性を実証している。
 4Kコンテンツは既に2万を超える映画館で上映されており、4Kディスクや4K放送用STBの発売が期待されている。
 4K放送の動きは韓国などで先行している。

◇情報通信
 14年の情報通信市場は、アベノミクスをきっかけとした景気回復感から企業のICT(情報通信技術)投資が戻ってきており、成長軌道に乗りそうだ。主要情報サービス各社の受注も堅調で、14年は各社の業績にも反映してくるとみられる。
 インターネット経由でICTを利用するクラウドサービスの利用が本格化し、車内のシステムを堅牢なデータセンター上で運用するプライベートクラウドといった共同利用型サービスの活用も拡大してきた。業務系システムに加え基幹系システムのクラウド利用も始まりつつあるため、クラウドがさらに一般化しそうだ。
 今年は世の中のあらゆるデータを収集し分析するビッグデータの利活用が本格的に始まる。13年はビックデータという言葉が先行していたが、今年は実際の利活用の事例が出てくる。
 スマホやタブレット端末の企業での利用も広がりそうだ。タブレット端末を会議や営業支援に使う動きも始まっており、ICT各社は導入支援のメニューを拡充している。
 働き方を変革する気運も高まっていることから、今年はスマート端末の利用は拡大する。
 マイクロソフトのパソコンOS、ウインドウズXPのサポートが4月で終了する。3月まではPCの置き換え特需が出るとみられ、OS移行サービスによる提案と導入支援を加速する構え。4月以降はクラウドなどサービスメニューを充実させ、企業経営を支援する提案の強化が求められる。

▽半導体
 世界の主要半導体メーカー53社が加盟する世界半導体市場統計(WSTS)によると、14年は前年比4.1%増、15年は同3.4%増の3273億ドルとプラス基調で推移する見通し。スマホや車載向けがけん引しメモリー、ロジック、アナログなどの増加を予想する。
 サムスンは3D(3次元)NAND型フラッシュメモリー「Vertical NAND(V-NAND)」の本格生産を開始する。
 東芝も独自のパイプ型BiCS(ビット・コスト・スケーラブル)技術を用いた3次元NAND型フラッシュメモリーを開発。本格量産に向けて米サンディスクと共同でNAND型フラッシュメモリーの生産拠点である四日市工場の第5製造棟を建設し、今年夏に竣工する。
 ファウンドリ分野では、米インテルが半導体の受託生産に本格参入すると発表した。大本のTSMCがクアルコムなNVIDIAなどのスマホ用の主要チップメーカーから生産を受託しているが、インテルの参入で、様相が変わるか注目されている。
 日本メーカーは、ルネサンスやエルピーダの再建など厳しいが、東芝のほかロームも得意のアナログICを強化するなど検討している。次世代パワーデバイスの炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)デバイスで先行し、生き残りを図っている。


インド携帯業界「再編の年」 決断迫られるNTTドコモ

 急成長を続けるインド携帯電話業界にとって今年は「再編の年」になりそうだ。同国の通信会社は過当競争に加え、事業免許取り消しなど予想外の動きに翻弄されてきた。通信事業者の合併・買収(M&A)に関する政府の指針が今年固まる見込みで、同国への進出を果たしたNTTドコモも事業継続か撤退かの大きな切断を迫られることになる。
 インド通信規制庁によると、08年には3億件程度だった携帯電話契約件数は、13年10月末時点で約8億7500万件まで拡大。これに合わせて次々と通信事業者が市場に参入し、10数社が乱立している。
 ドコモは09年にタタ財閥の通信会社「タタ・テレサービシズ」(TTSL)の株式26%を取得し、業界第6位の「タタ・ドコモ」として発進。しかし、激しい価格競争などで契約件数が大幅に減少し、赤字経営が続いている。
 TTSLとの契約には、今年3月までの業績が一定水準に達しなければ、ドコモ保有株をタタ側に売却できるオプションが含まれている。このため「ドコモが年内にインド市場すら撤退する」との憶測は絶えない。


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